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幻の迷ベースBRIANBERGERの回路

 
 発売直後に、本家STEINBERGER社から苦情が入り、 あっという間に販売が中止されたとのウワサがある 幻のベース「BRIANBERGER」の回路図です。
全体写真
写真1.BRIANBERGER
 近年、希少価値ゆえに好事家の収集対象になっていますが、私が手に入れた当時は「ニセモノ」のレッテルを貼られた気の毒なベースでした。 本家はネックにカーボン・グラファイトを使っていることがウリでしたが、こちらのネックは木製で本家をコピーしきれていないところが何とも悲しいです。 もっとも現在においてカーボン・グラファイトのネックの評判はイマイチなので、不完全なコピーが必ずしも弱点になっていないのが面白いところです。
 このベースの最大の長所は、本家同様にチューニングが狂いにくいところです。 一度、きっちりチューニングすると気温変化のない限り数ヶ月たっても、きっちりチューニングを保っています。
 短所は、ボディーが小さく弾きにくいところでしょうか。ストラップは必須です。
BRIANBERGERの回路図
図A.BRIANBERGERの回路図
 以下、回路の解説です。
 コイルL1はフロント・ピックアップを、L2はリア・ピックアップを表しています。ピックアップは樹脂でしっかり囲まれており、中を覗くことができず シングル・ピックアップかハム・ピックアップか明確にわからないです。 大きさから考えるとハム・ピックアップと思われます。
 可変抵抗RV1はフロント・ピックアップの音量を調整し、RV2はリア・ピックアップの音量を調整します。どちらもBカーブ可変抵抗です。 RV3はトーンを調整します。こちらはAカーブ可変抵抗です。図Aの可変抵抗端子番号1〜3は図Bの端子番号1〜3と対応しています。
ボリューム端子の番号
図B.ボリューム端子の番号
 キャパシタ(コンデンサ)はセラミック・キャパシタです。
 図Aではジャックをモノラル・タイプで描いていますが、実際はステレオ・タイプです。プラグが抜けにくくなるので、 ステレオ・タイプを採用したのかもしれません。もちろん出力信号はモノラルです。
ネック
写真2.BRIANBERGERのネック

 
<余談>
 友人が京都の「よしや楽器」で18000円にて中古購入したものを6000円で譲ってくれました。 友人はボディーが小さ過ぎて弾きづらく手放したそうです。
 私が手にした当初から可変抵抗の調子が悪く時々音が出なくなったりしましたが、どうにか数十年使ってきました。 先日、可変抵抗、キャパシタ、ジャック及び配線を新しいものに変えたところ、驚くほど音が良くなりました。トーン系統のどこかで 短絡していて、倍音が抜けていたものと推測します。 早く気づいて修理していれば、もっといろいろな場所で活用できたのになァ…。
 

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